免疫系疾患分野|Bloom症候群(ブルーム症候群)(平成23年度)
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1. 概要 | |
Bloom症候群は、小柄な体型、日光過敏性紅斑、免疫不全を特徴とする常染色体劣性の遺伝病である。さらに、きわだった特徴は高率な癌腫の合併である。20歳までに、約3割の症例がなんらかの癌腫を発症する。 | |
2. 疫学 | |
10人から20人 | |
3. 原因 | |
DNAの複製・修復に関与するヘリカーゼタンパクBLMをコードするblm遺伝子の異常により、発症する。病因遺伝子は明らかになっているが、その機能については、不明な点が残されている。 | |
4. 症状 | |
生下時からの小柄な体型、日光過敏性紅斑、免疫不全症。発癌、糖尿病の内分泌系の症状も合併する。男女ともに、不妊のことが多い。 | |
5. 合併症 | |
きわだった特徴は、癌腫の高率な発症である。20歳までに約3割の患者さんが、なんらかの癌腫を発症する。一旦、治癒しても二次癌、三次癌の発症をみることがある。免疫不全に伴う易感染による肺炎の合併も、生命予後を左右する。 | |
6. 治療法 | |
定期的な検診により癌腫の発生を早期に発見し、外科的切除、抗がん剤による治療を行う。また、感染に対しても抗生剤の投与により、早期から対処する。 | |
7. 研究班 | |
遺伝子修復異常症(Bloom症候群、Rothmund-Thomson症候群、RAPADILINO症候群、Baller-Gerold症候群)の実態調査、早期診断法の確立に関する研究班 | |