免疫系疾患分野|家族性地中海熱(平成23年度)
かぞくせいちちゅうかいねつ
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1. 概要 | |
反復する発熱と、胸膜炎、腹膜炎、関節炎などの漿膜炎を特徴とする遺伝性の自己炎症疾患である。 | |
2. 疫学 | |
約300人 | |
3. 原因 | |
1997年に家族性地中海熱の責任遺伝子として16番染色体に位置するMEFV (Familial Mediterranean Fever gene)遺伝子が同定された。患者は変異型MEFVのホモ接合体もしくは複合ヘテロ接合体(compound hetero)となる。MEFV遺伝子のコード蛋白であるPyrinの機能異常が、病因に関連していることが示唆されている。 | |
4. 症状 | |
38℃以上の周期性発熱をほとんどの症例で認め、副症状として胸痛、腹痛を伴う胸膜炎、腹膜炎および関節炎がみられる。頻度は少ないが、丹毒様紅斑、心外膜炎、精巣炎、髄膜炎などの症状もみられる。 | |
5. 合併症 | |
反復する炎症により2次性アミロイドーシスを合併することがある。 | |
6. 治療法 | |
コルヒチンが有効で、約90%の患者で症状の改善がみられる。 | |
7. 研究班 | |
家族性地中海熱の病態解明と治療指針の確立班 | |