代謝疾患分野|オクチピタル・ホーン症候群(平成23年度)

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1. 概要

本症の責任遺伝子はメンケス病責任遺伝子であるATP7Aである。遺伝子変異はスプライトサイト変異が多く、ATP7A活性がある程度残存している。そのため、症状はメンケス病に比べて著しく軽い。主な症状は筋力低下、膀胱憩室、骨粗鬆症、血管蛇行、後頭骨の角様突起などの結合織異常で、精神発達は正常~軽度低下であるが、小脳失調が見られる。
現在、有効な治療法は全く報告されていない。本研究で治療法が提唱される可能性が高い。

2. 疫学

今まで実態調査は全くなされていない。わが国で数例の報告があり、発症頻度は極めて低いと考えられる。

3. 原因

責任遺伝子はMenkes病責任遺伝子であるATP7Aである。遺伝子変異はスプライトサイト変異が多く、ATP7A活性がある程度残存している。そのため、症状はメンケス病に比べて著しく軽い。

4. 症状

尿路感染を繰り返す。呼吸器障害が強く肺炎を合併しやすくしばしば致命的になる。血管蛇行により血管壁が脆く、硬膜下出血や膀胱出血などを合併することが多い。骨粗鬆症により骨折を起こしやすい。

5. 合併症

膀胱憩室による頻回の尿路感染症、骨折、血管壁障害による出血であるが、症例が少ないこともあり、詳細は不明である。

6. 治療法

現在、有効な治療法は全く報告されていない。本研究で治療法が確立される可能性が高い。

7. 研究班

Menkes病・occipital horn症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発班