その他分野|早期発症型侵襲性歯周炎(平成23年度)

そうきはっしょうがたしんしゅうせいししゅうえん
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1. 概要

歯周炎を除き全身的に健康であるが、急速な歯周組織破壊(歯槽骨吸収、アタッチメントロス)、家族内発症を認めることを特徴とする歯周炎である。一般的にプラーク付着量は少なく、10~30歳代で発症することが多い。患者によっては、A. actinomycetemcomitansやP. gingivalisの存在比率が高く、生体防御機構。免疫応答の異常が認められることがある。

2. 疫学

侵襲性歯周炎の罹患率は、0.05~0.1%とされている。

3. 原因

プラーク中の口腔細菌が主たる原因であるが、疾患の発症と進行には遺伝的要因が関与していることが考えられている。その詳細については不明である。

4. 症状

歯周炎は歯肉に初発した炎症が、セメント質、歯根膜および歯槽骨などの深部歯周組織に波及したもので、初期には歯肉の炎症に伴った歯肉腫脹、発赤等以外、ほとんど自覚症状を認めない。中期では、ブラッシング時や咀嚼時における歯肉からの出血、歯周ポケットからの排膿等を認める。進行すると歯の動揺が著しくなり、歯が脱落してしまう。

5. 合併症

糖尿病等の易感染性患者の場合、歯周炎の症状が重症化する傾向がある。

6. 治療法

歯周基本治療、歯周外科手術、歯周組織再生療法など。

7. 研究班

早期発症型侵襲性歯周炎(遺伝性急性進行型歯槽膿漏症候群)の診断基準確立の更なる推進に関する研究班