その他分野|低フォスファターゼ症(平成23年度)

ていふぉすたーぜしょう
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1. 概要

低フォスファターゼ症は骨系統疾患の一つで、組織非特異的アルカリフォスファターゼ(ALP)の欠損が原因である。発症時期および症状の広がりに基づいて、胎内で発病する周産期型、生後半年以内に発病する乳児型、小児期に発病し乳歯の早期脱落を伴う小児型、成人期に発病する成人型、症状が歯に限局する歯限局型の5つの病型に分類される。四肢短縮、内反膝、骨折、骨変形、低身長、痙攣、乳歯早期脱落などの症状を呈する。骨X線像では、くる病類似の所見を呈するが、血中ALP活性は低値である。

2. 疫学

3. 原因

原因:組織非特異的アルカリフォスファターゼの欠損
各病型の違いをもたらす機序は十分には明らかではない。本症は、ALPの活性低下により発症するが、症状とその原因の因果関係には不明な点が多い。たとえば、ALP活性低下により、ピロリン酸が蓄積して石灰化障害をもたらしたり、ビタミンB6の代謝障害が起こり痙攣が引き起こされたりすると考えられているが、不明な点も多い

4. 症状

骨化不全、呼吸不全、体重増加不良、高カルシウム血症、けいれん、乳歯早期脱落

5. 合併症

呼吸障害、体重増加不良、骨折

6. 治療法

対処療法、根本的な治療なし、骨髄移植が試みられた例あり。酵素補充療法の治験が北米において開始された。対症療法として人工呼吸、低カルシウムミルク、抗痙攣剤(ビタミンB6)。長期にわたる疾患の状況:不明。上述の通り最重症型では致死的であるが、乳児型でも50%程度の致死率とされる。長期経過報告無し。成人では易骨折性を示す場合があるので、骨粗鬆症の患者の中に発見されずに存在している可能性あり。歯についても永久歯の症状ははっきりしていない。

7. 研究班

低フォスファターゼ症の個別最適治療に向けた基礎的・臨床的検討班