神経系疾患分野|ビッカースタッフ型脳幹脳炎(平成23年度)
びっかーすたっふがたのうかんのうえん
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1. 概要 | |
ビッカースタッフ型脳幹脳炎は、生命中枢である脳幹を主座としておこる炎症性自己免疫疾患である。意識障害、外眼筋麻痺や運動失調を伴うことが特徴的で、多くの例は未治療でも回復傾向を示し、一過性の経過を示す。四肢脱力などの後遺症をきたす例が一部にあり、また、急性期に合併症により致死的となることがある。 | |
2. 疫学 | |
本邦での年間発症者は50-100人程度と推定される。 | |
3. 原因 | |
少なくとも一部の症例は、ギラン・バレー症候群と同様に血中自己抗体(抗ガングリオシド抗体)が介在する疾患と捉えられているが、詳細は不明である。 | |
4. 症状 | |
眼筋麻痺や運動失調、意識障害、四肢麻痺、顔面神経麻痺、構音障害などが高頻度である。 | |
5. 合併症 | |
急性期合併症として肺炎や尿路感染症、呼吸不全、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症、不整脈、後遺症として四肢麻痺がある。 | |
6. 治療法 | |
ギラン・バレー症候群の治療法に準じて、免疫グロブリン大量静注療法や血漿浄化療法がおこなわれる。 | |
7. 研究班 | |
ビッカースタッフ型脳幹脳炎の診断及び治療方法の更なる推進に関する研究班 | |