整形外科疾患|脊髄障害性疼痛症候群(平成23年度)
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1. 概要 | |
脊髄障害性疼痛症候群は脊髄障害に起因すると考えられる多彩な痛みであり、通常痛みを起こさない刺激が痛みを引き起こすアロデニアや障害脊髄高位以下の締め付けられるような自発痛などを生ずる。脊髄の障害が引き起こされる後縦靭帯骨化症や脊髄空洞症や脊髄損傷後などに発症し、一部の薬剤が奏功する症例も存在するが一般に治療抵抗性であるため患者の日常生活を極めて悪化させる要因となる。 | |
2. 疫学 | |
地域研究の結果では手足にしびれや痛みを生ずるものは人口の20%ほど存在するが本症候群に至るケースは人口の0.15%程度であることが判ってきている。 | |
3. 原因 | |
脊髄損傷だけでなく、頚椎症性脊髄症や後縦靭帯骨化症などの圧迫性脊髄症において脊髄が直接傷害されることで症状が出現する。 | |
4. 症状 | |
脊髄の障害が引き起こされた部位以下の自発痛、しびれ、感覚鈍麻。 | |
5. 合併症 | |
脊髄性の運動障害 | |
6. 治療法 | |
抗てんかん剤、抗うつ剤などの薬物療法が一部有効なことがある。抗てんかん剤はナトリウムチャネルやカルシウムチャネルを阻害することで神経の興奮性を抑制することで鎮痛効果が得られると推察される。抗うつ剤の本症候群に対する作用機序は不明であるが、下行性鎮痛抑制系の賦活作用あるいは抗うつ作用によると考えられる。カウンセリングや痛みに対する生活の指導も一部有効である。 | |
7. 研究班 | |
脊髄障害性疼痛症候群の実態の把握と病態の解明に関する研究班 | |