(11)整形外科疾患分野|軟骨異栄養症(軟骨無形成症)(平成24年度)

なんこついえいようしょう
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

線維芽細胞増殖因子受容体3型(Fibroblast growth Factor Receptor Type 3:FGFR3)の異常が原因の疾患であり、近位部優位な四肢の短縮、前頭部の突出、著明な低身長を認める。

2. 疫学

明確な出生頻度については不明であるが、1-2万人に1人程度とされており、骨系統疾患の中でも頻度が高い。

3. 原因

FGFR3の異常が原因である。患者の大部分にFGFR3遺伝子にG380R変異を認める。

4. 症状

近位部優位な四肢の短縮、前頭部の突出、平たい鼻根部を認める。また著明な低身長を認め、最終身長は男性で130cm 、女性で122cm程度とされる。レントゲン所見では腰椎の椎弓根間距離が頭側から尾側に向かって正常と異なり狭くなる所見 (interpedicular narrowing)や腸骨翼の低形成、長管骨の骨幹端の不整、短縮などが認められる。

5. 合併症

大後頭孔の狭窄による神経障害、中枢性無呼吸、水頭症を合併することがある。また脊柱管狭窄症による下肢痛、腰痛、間歇性の跛行などを認める。

6. 治療法

低身長に対する成長ホルモン治療が保険適応となっている。また四肢の短縮に対して整形外科的な骨延長術が行われている。

7. 研究班

重症骨系統疾患の予後改善に向けての集学的研究