(11)整形外科疾患分野|軟骨異栄養症(軟骨低形成症)(平成24年度)

なんこついえいようしょう
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1. 概要

線維芽細胞増殖因子受容体3型(Fibroblast growth factor receptor type 3:FGFR3)の異常による疾患で近位部優位な四肢の短縮、低身長を呈する。その症状は同じFGFR3による疾患である軟骨無形成症よりも軽度である。

2. 疫学

明確な出生頻度については不明で軟骨低形成症の発症頻度の1/8程度とされている。

3. 原因

FGFR3の異常が原因である事が多く、FGFR3のN540K変異が多く認められるが全例ではなく、他の遺伝子変異も多数認められている。また軟骨低形成症が疑われる児においてもFGFR3に変異が同定されない例、また他の骨系統疾患が軟骨低形成症と診断されている事もある。

4. 症状

近位部優位な四肢の短縮、低身長を認める。低身長や四肢の短縮の度合いなど臨床症状は軟骨無形成症と比べて軽度また、多彩である。また特発性の低身長や他の骨系統疾患と症状が類似することがあり、しばしば診断が困難な場合がある。レントゲン所見も軟骨無形成症と比べて所見は軽度であることが多く、椎弓根間距離の短縮は軽度、もしくは認められない。また、腸骨翼の低形成も軽度であり、正常とのoverlapがあることから診断に苦慮する例も存在する。

5. 合併症

てんかんなどの合併が知られている。

6. 治療法

低身長に対する成長ホルモン治療が保険適応となっており、軟骨無形成症と比して治療効果は良好である。

7. 研究班

重症骨系統疾患の予後改善に向けての集学的研究