(2)筋疾患分野|ベスレムミオパチー(Bethlem myopathy)(平成24年度)
| |
1. 概要 | |
乳幼児期に発症し、緩徐に進行する近位筋優位の筋力低下と筋萎縮に加え、比較的早期より手指・肘関節・足関節などの屈曲拘縮を伴うミオパチーである。通常、常染色体優性であるが、最近劣性遺伝形式をとる例も報告された。ウルリッヒ病と同様にCollagen VI遺伝子変異を原因とする。 | |
2. 疫学 | |
これまでに疫学調査が行われたことはない。本邦からは、1989年と1992年に症例報告があるのみである。両例ともに遺伝学的に診断が確定していない。欧米からは報告が散見されつつあるが、世界的にも疫学データは存在しない。 | |
3. 原因 | |
Collagen VIをコードするCOL6A1, COL6A2, COL6A3のいずれかの遺伝子の変異により発症する。 | |
4. 症状 | |
乳幼児期に発症し、近位筋優位の筋力低下と筋萎縮が緩徐に進行する。比較的早期より手指・肘関節・足関節などの屈曲拘縮を伴う | |
5. 合併症 | |
歩行障害など。 | |
6. 治療法 | |
根本的治療法はなく、リハビリテーションなど保存的治療のみ。 | |
7. 研究班 | |
ベスレムミオパチーとその類縁疾患の診断と病態に関する研究 | |