内分泌疾患分野|遺伝性女性化乳房症:AEXS(平成24年度)
いでんせいじょせいかにゅうぼうしょう
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1. 概要 | |
遺伝性女性化乳房は、過剰に産生されたエストロゲンにより男性に女性化乳房・低身長などの症状をもたらす遺伝性疾患である。これまでに、アロマターゼ遺伝子に構造異常をもち、常染色体優性の遺伝形式を示す家系などが知られている。 | |
2. 疫学 | |
10-50人 | |
3. 原因 | |
アロマターゼ遺伝子の構造異常が原因で、性腺および性腺外組織でアロマターゼが過剰に発現するために、エストロゲンの産生量が増加して高エストロゲン血症をきたす。 | |
4. 症状 | |
進行性両側性の女性化乳房症(タナー分類2度以上)をきたす。重症例では、思春期前に身長の急伸が始まり、骨端が早期に閉鎖して、最終的に身長が低くなる。 | |
5. 合併症 | |
高エストロゲンにより、男性では二次性に性徴や性欲の低下をきたすことがある。女性では、乳がんや不正性器出血が発生することがある。男性における乳房発育は、精神的な問題を引き起こし、社会生活の制限をきたすことがある。 | |
6. 治療法 | |
アロマターゼ活性阻害剤の投与により、女性化乳房を治療することができる。骨端閉鎖前に投与を始めることで、低身長を防止できる。 | |
7. 研究班 | |
遺伝性女性化乳房の実態把握と診断基準の作成に関する研究班 | |