過剰運動＜hypermobility＞症候群（ICD-9 分類728.5  ICD-10 分類　M35.7）は、全身にわたる複数の関節に過可動を来す症候群である。家族で集積する場合もあり、結合組織に関わる複数の原因による先天異常、遺伝性疾患と考えられているが詳細は不明である。

疼痛管理が難しい方は数百人

現在のところ不明である。関節過可動は、エーラス-ダンロス 症候群（特に関節（過可動亢進）型）やマルファン症候群などの他の結合組織疾患にもみられ類似性がある。家族で集積する（優性遺伝形式）こともあり、結合組織に関わる複数の原因があると考えられる。一部は、結合組織に関する因子であるテネイシン-X欠損との関連が指摘されているが、本邦では明らかではない。

過剰運動を来す関節症状と、関節以外の皮膚症状、自律神経症状（立ちくらみ、起立性調節障害など）他の症状を伴うこともある。関節症状は、関節周辺の不定愁訴から発症し、全身の複数の関節不安定性（可動域の亢進・関節過可動）から関節での関節脱臼、亜脱臼となり、関節の変形へと進行することがある。
皮膚の弛緩・過伸展は必ずしも見られない。症状は改善する良性から疼痛管理が難しいこともある。

持続する慢性的な関節痛を有することがある。

疼痛管理が重要であり、理学的療法や装具や心理的なサポートも重要である。リウマチ性疾患と症状が類似することがあるが、リウマチ性疾患への治療、外科的治療は無効である。

過剰運動＜hypermobility＞症候群類縁疾患における病態解明研究班