血液・凝固系疾患分野|エンバーガー症候群(平成24年度)
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1. 概要 | |
変異遺伝子によってリンパ浮腫(リンパ系の障害のために腫れ手足)、リンパ球、樹状細胞、単球分化障害、難聴や白血病を引き起こす。 | |
2. 疫学 | |
100名程度 | |
3. 原因 | |
FoxC2、VEGFR-3、SOX18、GATA2の遺伝子異常が報告されている。しかしこれらの異常を認めるものは一部で、孤立性の発症も多く、原因不明な症例が多い。 | |
4. 症状 | |
本疾患に特徴的な症状は、下肢に発症する慢性進行性の浮腫、免疫細胞の分化障害による易感染性である。 | |
5. 合併症 | |
蜂窩織炎、白癬症、皮膚感染症、リンパ漏、皮膚潰瘍、色素沈着、皮膚の乾燥、硬化、象皮病、関節機能障害、リンパ管肉腫。 | |
6. 治療法 | |
今なお有効な治療がないのが現状である。保存的治療として、肢挙上、運動制限、マッサージ療法とバンデージ(圧迫)治療がある。また本邦で開発された低侵襲治療として、リンパ球動注療法がある。 | |
7. 研究班 | |
血液免疫系細胞分化障害による疾患の診断と治療に関する調査研究班 | |