血液・凝固系疾患分野|家族性樹状細胞欠損症(平成24年度)
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1. 概要 | |
樹状細胞を完全に欠損する免疫不全症。 | |
2. 疫学 | |
国内で28症例が確認されているが、診断されていない症例が多く存在する。 | |
3. 原因 | |
一部は転写因子GATA2遺伝子の変異によることが、2011年に解明された。他の多くの樹状細胞欠損症の原因遺伝子は解明されていない。 | |
4. 症状 | |
抗原提示細胞としての樹状細胞が欠損することから、抗原特異T細胞、抗原特異B細胞への機能的分化が障害され、易感染性を呈する。結核の重症化、水痘の重症化、サルモネラ感染の重症化が特徴的である。 | |
5. 合併症 | |
B細胞欠損、単球欠損、NK細胞欠損、Th17細胞欠損が合併することがある。その結果、多彩な微生物に対する易感染性を示す。 | |
6. 治療法 | |
造血幹細胞移植。感染症に対する予防的抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤投与。 | |
7. 研究班 | |
血液免疫系細胞分化障害による疾患の診断と治療に関する調査研究班 | |