奇形症候群分野|Dent病(デント病)(平成24年度)
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1. 概要 | |
出生時から近位尿細管性蛋白尿が出現するX染色体性の遺伝性疾患である。加齢とともに高リン尿症、腎石灰化が進行し、50歳前後に末期腎不全へと進行する。患者のほとんどは男性である。 | |
2. 疫学 | |
推定患者数400名。 | |
3. 原因 | |
患者の約6割はchloride channel 5の異常が、約1割がphosphathidylinositol 4,5-bis-phosphate 5-phosphataseの異常が本症の原因である。約3割の患者では原因遺伝子が明らかでない。 | |
4. 症状 | |
小児期には多くは無症状。学校検尿にて蛋白尿を指摘されることが本症の診断のきっかけとなる。 | |
5. 合併症 | |
成長とともに、多尿、骨軟化、腎機能低下が進行する。糖尿、アミノ酸尿などが出現しファンコニ症候群を呈する。 | |
6. 治療法 | |
確立した治療法はない。アルカリ療法が腎機能保持のために有効とする動物実験が報告されている。 | |
7. 研究班 | |
腎・泌尿器系の希少難治性疾患群に関する調査研究班 | |