その他分野|若年性ネフロン癆(ろう)(平成24年度)

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1. 概要

若年性ネフロン癆は、腎髄質に嚢胞形成を認める疾患の代表であり進行性の腎機能障害を呈する。末期腎不全に至る時期により、3 つのサブタイプに分類される。

2. 疫学

およそ 500~600 名(小児透析患者約 23 万人のうちの約 4%)。

3. 原因

現在、ネフロン癆には、NPHP1~NPHP11 までの責任遺伝子が同定されているが、これらのいずれの遺伝子にも異常を見出せないものも少なからず存在する。遺伝形式は主として常染色体劣性遺伝を示すが、弧発例もある。

4. 症状

進行性腎機能障害による多尿、成長障害、貧血を呈する。

5. 合併症

本症には、腎外症状から発見される例もある。特に、網膜色素変性症(シニア・ローケン症候群)、眼球運動の失調(コーガン症候群) 、肝線維症、骨格や顔貌の異常なども早期発見のための観察点となる。

6. 治療法

現時点では腎移植以外に特別有効な治療法はなく、腎機能の低下が進行する場合には、一般的保存的治療が行われる。家族に対する遺伝相談も重要である。

7. 研究班

腎・泌尿器系の希少難治性疾患群に関する調査研究班