神経系疾患分野|中枢末梢連合脱髄症(平成24年度)
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1. 概要 | |
中枢・末梢連合脱髄症は、原因不明の希少な難治性疾患である。本症は、脱髄性疾患の中でも中枢神経のみを侵す多発性硬化症、末梢神経のみを侵すギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーとは異なり、中枢神経と末梢神経を同時に侵すのが大きな特徴である。 | |
2. 疫学 | |
現時点では不明である。 | |
3. 原因 | |
現在のところ、原因は不明であるが、我々の研究により中枢・末梢神経に共通して存在するニューロファスチンに対する抗体価が極めて高いことが判っており、関係が注目されている。 | |
4. 症状 | |
中枢神経、末梢神経が同時に侵されるため、意識障害、脳神経障害、運動麻痺、感覚障害、排尿障害など多彩な症状を呈する。 | |
5. 合併症 | |
排尿障害による尿路感染症や、嚥下障害による嚥下性肺炎など感染症の合併が考えられる。 | |
6. 治療法 | |
抗体の除去が改善に重要である可能性から、血漿交換が行われ有効性が認められている。 | |
7. 研究班 | |
中枢・末梢連合脱髄症の診断基準作成と臨床疫学調査の実施による治療指針の確立に関する研究班 | |