多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)

たはつせいこうかしょう/ししんけいせきずいえん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

この病気をしても結婚できるでしょうか

もちろんできます。赤ちゃんを産むこともできますし、夫婦生活も特に問題ありません。病気が相手にうつることもありませんし、子供に遺伝することもありません。ただしMSやNMOSDという病気に罹患していることは相手に伝え、このホームページの内容を利用するなどして、良く理解し合うことが望ましいでしょう。

この病気をしても子供を産むことは可能でしょうか

もちろん可能です。MSやNMOSDに罹患していること自体が子供を持つべきかどうかの判断基準にはなりませんが、MSやNMOSDがあることを考慮した上での家族の話し合いは重要です。なぜなら、MSの再発は妊娠中には少なくなりますが、出産後2~3カ月は明らかに増加することが知られているからです。20%から40%の方が再発を経験するとされています。ストレスによる再発リスクを避けるためにも、夜間の授乳を含めた出産後の子育てには家族の協力が不可欠であると考えられます。なお、妊娠中のMRI検査は、特に妊娠初期は原則として行われません。また、妊娠中に起こった再発については、失明の危険や歩行不能などの 重篤 な症状があればステロイドの大量点滴静注療法が選択されることがありますが、患者さんごとに判断すべき事柄です。

MS発病後、4週間目になりますが、最初は両足、左手がマヒ状態でしたが、現在は、リハビリをしており左足は若干動くようになり、車椅子の乗り降りは一人で出来るまでに回復しました。この病気は完治するのでしょうか

今回が初めての発作なのでしょうか。そのように考えてお答えします。完治には、二つの意味があると思います。ひとつは、現在の症状(麻痺)が完治するのかというお尋ねです。もうひとつは、MSは完治する病気なのかというお尋ねです。現在の症状が完治する可能性は、十分あるとお答えできます。多発性硬化症は、神経の鞘(さや)が脱落する病気ですが、この鞘は再生することが知られています。したがって、後遺症を残すことなく完治する可能性があります。ただし、病変の程度が強いと、神経そのもの( 軸索 )が障害されることがあり、この場合、後遺症が残ることがあります。今は、回復を信じてリハビリに励んでください。次に、MSは完治するか?です。この病気は、再発、 寛解 (回復のことです)を繰り返します。したがって、完治するかは、再発をなしにすることが出来るかということになります。再発回数には、個人差が大きく、一度きりの方もいらっしゃいますが、たとえ最初の数年間経過がよいように見えても、実際には脳内で小さな病変が出現と消退を繰り返していることが少なくないことが明らかにされています。したがって、診断がついたらなるべく早く再発予防薬を開始することが大切なのです。現在では、使える疾患修飾薬の種類が増えましたので、専門の先生と十分に相談して、現状に一番合った薬を選択してください。

 

情報提供者
研究班名 神経免疫疾患領域における難病の医療水準と患者のQOL向上に資する研究班
研究班名簿 
情報更新日 令和4年12月(名簿更新:令和6年6月)
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(公財)難病医学研究財団
  • 再発性の多発性硬化症患者を対象にremibrutinibの有効性及び安全性をteriflunomideを比較対照に評価する,ランダム化,二重盲検,ダブルダミー,並行群間比較試験,並びに,非盲検でremibrutinibを投与する継続投与試験