慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー(指定難病14)

まんせいえんしょうせいだつずいせいたはつしんけいえん/たそうせいうんどうニューロパチー
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

慢性炎症性脱髄性多発神経炎とギラン・バレー症候群とはどこが違うのでしょうか?

ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎とも、自己免疫が関わるご病気であると考えられていますが、原因は恐らく異なります。そのため、治療の仕方も異なります。それぞれのご病気では、発症の仕方も異なります。ギラン・バレ-症候群は急性に発症し、この病気は再発しないことが原則です。一方、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は、慢性進行や再発寛解を繰り返す病気です。一部の患者さんで、ギラン・バレ-症候群と同じような急性の発症の仕方をすることがあります。

筋肉が細くなっていくのは、この病気の特徴でしょうか?

一部の患者さんでは筋肉がやせてきます。筋力が低下し、筋肉が細くなる(筋萎縮)のは、運動神経の軸索にも障害が及び、筋組織を維持する栄養因子が軸索内を輸送されなくなり、筋肉の量がおちてくるためです。

本症では副腎皮質ステロイドが効果ありとされていますが、長期間続ける必要があり、その副作用が心配です

おっしゃるように、ステロイドには、糖尿病になりやすくなる、顔が丸くなる、骨粗しょう症になりやすくなるなどの副作用があります。筋力低下などの症状の改善に応じて、減量・中止をし、副作用を軽減するようにします。しかし病状によっては、減量が難しいこともあります。症状の改善と副作用のバランスの中で、治療の選択肢を検討することが必要です。それぞれの患者さんにより状況は異なるため、ご心配なことがありましたら、主治医の先生とご相談されてください。

アミノ酸を経口摂取すると筋肉の再生を助けると聞きましたが、CIDPに効果は期待できますか?効果があるか不明でも摂取させても問題ないですか?

CIDPに対するアミノ酸製剤の有効性は医学的には議論されていません。効果があると言うエビデンスはなく、現時点では使用の推奨はできません。

 

情報提供者
研究班名 神経免疫疾患領域における難病の医療水準と患者のQOL向上に資する研究班
研究班名簿 
情報更新日 令和4年12月(名簿更新:令和6年6月)