ラスムッセン脳炎(指定難病151)
らすむっせんのうえん
- 単純ヘルペス脳炎やインフルエンザ脳症などの急性脳炎脳症とは違って、ラスムッセン脳炎の発病初期に意識障害が見られることは稀で、脳炎というよりはてんかんをイメージする病像でラスムッセン脳炎は発病します。急性脳炎脳症では発病後すぐに後遺症としての知的障害や運動機能障害が顕在化しますが、ラスムッセン脳炎では発病後に数年かけて、徐々に知的障害や運動機能障害が顕在化する点が異なります。
ラスムッセン脳炎と呼ばれますが、急性脳炎とはどんな点が違いますか?
- 一側上肢の指先、一側の顔面、舌などが30分以上持続性にぴくつきますが、意識が保たれています。そのため、食事や会話には支障がありません。入眠すると収まることが多いです。このような特徴的な発作をEpilepsia partialis continua(EPC)と呼びます。
発作時に脳波が変化しないことがあります。
Epilepsia partialis continua(EPC)とは、どんな発作ですか?
- Epilepsia partialis continua(EPC)の発作型は、脳の病態としてラスムッセン脳炎、ダニ媒介性脳炎、炎症性疾患、脳梗塞、限局性皮質異形成、脳腫瘍などが原因となって見られます。また、全身性疾患のミトコンドリア病、代謝異常、自己免疫疾患などで見られます。
Epilepsia partialis continua(EPC)がみられるてんかんは、すべてラスムッセン脳炎ですか?
- 小児の慢性進行性持続性部分てんかんは、1989年のてんかんの国際分類に登場する病名で、詳しい説明はありませんが、小児期に起こるEPCを呈する焦点てんかんです。亜急性に進行し精神神経学的に障害が出現するてんかんと考えられ、Bancaud Group Ⅱにあたると推測され、多くがラスムッセン脳炎と考えます。一方、ラスムッセン脳炎には、小児の慢性進行性持続性部分てんかんではない、EPCを示さないが進行性の症例が存在します。
小児の慢性進行性持続性部分てんかんとラスムッセン脳炎の違いを教えてください。
- ラスムッセン脳炎では、通常のてんかんとは異なり、細胞傷害性T細胞などの免疫が脳を攻撃し、てんかん発作や知的障害や運動機能障害を起こしていますので、免疫を調整する治療がないと進行してしまいます。
通常のてんかんとラスムッセン脳炎の治療の違いを教えてください。