アレキサンダー病(指定難病131)
あれきさんだーびょう
- アレキサンダー病は1949年にAlexanderが難治性けいれんと水頭症のため15か月で死亡した症例を報告したことに始まります。以後約50年間、アレキサンダー病は乳幼児期に発症するけいれん、頭囲拡大、精神運動発達の遅れを中核症状とし、ほとんどが10歳に満たずに亡くなる生命予後の非常に悪い疾患とされてきました。しかし、2001年にGFAP遺伝子の変異がアレキサンダー病の原因であることが報告されてから、新生児から高齢者まで幅広い年齢層で発症する可能性があること、多彩な症状を示しうること、乳幼児期の発症例には10歳以上になっても生存可能な症例が少なからず存在することが分かっています。
この病気は子供の病気で10歳まで生きられないと聞いたのですが。
- アレキサンダー病の遺伝様式は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)(両親のどちらかに症状があって、約50%の確率でお子さんに遺伝するもの)です。つまり、GFAP遺伝子変異をもつ患者さんのお子さんは約50%の確率で遺伝子変異を保有します。一方、「大脳優位型」のほとんどすべての患者さんと「延髄・脊髄優位型」の約半数の患者さんのご両親はGFAP遺伝子変異を保有しないことが知られています(患者さんは突然変異により変異遺伝子を獲得したと考えられます)。
この病気は遺伝するのですか。
- アレキサンダー病の診断においては、神経学的診察と画像検査(頭部および頸髄MRI)にて本病を疑うことが重要です。「大脳優位型」は主に乳児期に発症する、けいれん、頭囲拡大、精神運動発達の遅れが特徴で、「延髄・脊髄優位型」は学童期あるいは成人期以降に発症する、嚥下機能障害、手足の運動機能障害、立ちくらみや排尿困難などの自律神経機能障害が特徴です。画像検査では各病型で比較的特徴のある所見がみられます。以上の臨床的特徴から本病を疑った場合に、遺伝子検査にて確定診断を行います。なお、遺伝子検査は大学の研究室での解析になります。
診断はどのようにするのですか。