特発性後天性全身性無汗症(指定難病163)
とくはつせいこうてんせいぜんしんせいむかんしょう
- 原因はまだわかっていません。汗が出るためには汗を出す汗腺(かんせん)という器官の表面にあるアセチルコリン受容体に神経からでるアセチルコリンという神経伝達物質が結合することが必要です。アセチルコリン受容体に何らかの異常が起こりアセチルコリンが汗腺に結合できなくなったり、汗腺自体が障害されて汗が出なくなるのではないかと推測されています。また、受容体に結合できないアセチルコリンが神経を刺激してピリピリ痛くなったり肥満細胞という炎症を起こす細胞を刺激して発疹(じんましん)がでるのではないかと考えられています。
どうして急に汗が出なくなりピリピリ痛くなったり発疹(じんましん)がでたりするのですか?
- ステロイドが効く機序はまだわかっていません。アセチルコリン受容体または汗腺自体が自己免疫(自分の体を自分で壊す)反応で壊されることが原因と考えられていますのでこの自己免疫反応をステロイドが抑えるのではないかと推測されています。
どうしてステロイドが効くのですか?
- この病気は他人に感染したり家族的に遺伝したりはしません。
病気は人に感染したり遺伝したりしますか?
- 運動したり暑くて湿度の高い環境に長くいたりすると熱中症になることがありますので運動はできるだけ避け涼しい環境でいるよう心がけることが重要です。その他、クールベストの着用、ペットボトル水の携帯など体を冷却することを心がけるようにする事も大切です。
生活でどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?
- 半数以上の人がステロイド療法でよくなっています。一部の人は難治性ですが生活に不自由しない程度に治療できることが多いようです。
この病気は治らないのでしょうか?
研究班名 | 発汗異常を伴う稀少難治療性疾患の治療指針作成、疫学調査の研究班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和4年12月(名簿更新:令和6年6月) |