ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん(指定難病143)

みおくろにーだつりょくほっさをともなうてんかん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

レノックス・ガストー症候群とどこが違うのでしょうか。

本症では、発症までの発達が正常であり、また強直けいれんの合併は一部の 予後 不良の患者さんにみられるのみです(表1)。

表1. ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんとレノックス・ガストー症候群との差異
  ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん レノックス・ガストー症候群
発作の初発年齢 幼児期 幼児期から学童期
発作前の発達 正常 正常から遅れがある
主たる発作の形 ミオクロニー脱力発作 強直けいれん
  非定型欠神発作、全般性強直間代けいれん 非定型欠神発作
脳波 広汎性2-3Hz棘徐波 広汎性遅(<2.5Hz)棘徐波、ラピッドリズム
発作予後 50-80%で軽快 不良

抗てんかん発作薬が無効の場合にはどうしたらよいでしょうか。

その場合にはケトン食治療を強く勧めます。

知能予後はどうですか。

発作が早期に抑制できるほど知的予後は高いのですが、発作が長期持続すれば精神遅滞を残します。

ケトン食は有効でしょうか。

本症ではケトン食の有効性が最も高いとされますが、2年間ほど継続する必要があります。

どのような抗てんかん発作薬が使用されますか。

バルプロ酸、エトスクシミド、レベチラセタム、クロナゼパム、クロバザムなどの抗てんかん発作薬が試みられます。

 

情報提供者
研究班名 稀少てんかんの診療指針と包括医療の研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年11月(名簿更新:令和6年6月)