IgG4関連疾患(指定難病300)
あいじーじー4かんれんしっかん
- 診断には「包括的診断基準」と各臓器の「臓器別診断基準」を組み合わせて行います。ただし、できる限り組織検査を行って、悪性腫瘍(癌、悪性リンパ腫など)や類似疾患(シェーグレン症候群、原発性/二次性硬化性胆管炎、多中心性キャッスルマン病、二次性後腹膜線維症、多発血管炎性肉芽腫症、サルコイドーシス、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症など)を鑑別する必要があります。
この病気はどうやって診断するのですか?
- 全身のあらゆる場所に腫瘤を形成する可能性があるため、きっかけは様々です。IgG4関連疾患によってできた腫瘤は、しばしば悪性腫瘍(がん)と見分けることが重要となります。それを調べる過程で確定診断される方が多いです。
どのようなきっかけで病院にかかり確定診断された方がいるのでしょうか?
- 最初に日本人が提唱した疾患でもあり、本邦では多くの医師がこの疾患について認知しています。また医師国家試験においても本疾患を学ぶことが必要事項の一つであるため若手医師からも認知されています。
この病気の事は医師であれば全ての人が知っているのですか?
- 大体半分近くの患者さんが一旦よくなっても再発しますが、再発予防の方法は確立されていません。どのような患者さんが再発しやすいのか、まだ良くわかっていませんが、治療で血液中のIgG4の下がり方が悪かったり、複数の臓器が同時に冒されたりしている場合には再発しやすい可能性があります。小量のステロイド維持療法がある程度有効であると言われていますが、多くの副作用のある薬ですので、再発した場合に再度使用すればいいという意見もあります。
この病気は一旦よくなっても、再発しやすいと聞いていますが、再発予防はありますか?
- 今のところこの病気を持っている患者さんが将来癌になるという証拠はありませんが、癌と関係するかもしれないとの報告もありますので、完全に否定はできません。定期的な経過観察が重要です。
この病気は癌になるのですか?
- IgG4関連疾患は悪性疾患ではないため、死に至る病では基本的にはありません。しかしながら原因がわかっていない難病であることも確かであり、治療による副作用がみられることがあります。医師を含めた多くの研究者がその解明に取り組んでおり、今後新たな治療薬が登場することも見込まれています。
この病気の余命を知りたい
- 治療の副作用や一時的に増悪して入院が必要になる場合もありますが、治療が軌道に乗れば多くの患者は内服治療や外来通院によって通常の社会生活を送ることができています。また、全ての患者さんで治療が必要というわけではなく、外来通院で様子を見ている方も少なくありません。
仕事と両立できそうな病気ですか?
- 同じ膠原病である関節リウマチでは患者会があり、患者さん同士のつながりができやすい環境があります。IgG4関連疾患は関節リウマチに比べて希少な疾患で、これまでは患者会が存在しませんでした。しかしながらこのたび患者会が発足したことにより患者さん同士のつながりが少しずつ持てる環境が整ってきています。
同じ病気の人と繋がりたいときはどのようにしたらよいですか?