低ホスファターゼ症(指定難病172)
ていほすふぁたーぜしょう
- 胎児期、新生児期発症の患者さんには2つのタイプがあります。周産期良性型と呼ばれるタイプでは、骨が曲がっていますが、呼吸には問題がなく、生命予後は良好です。一方、周産期重症型と呼ばれるタイプでは、骨の石灰化が非常に悪く、胸が小さくて人工呼吸が必要になったり、けいれんを起こしたりして、以前は予後不良でした。しかし、有効性の高い 酵素 補充薬が使用できるようになったことで、以前は亡くなっていた周産期重症型の患者さんの 生命予後 も大きく改善しています。
胎児期、新生児期発症の患者は予後不良でしょうか?
- 乳歯の早期脱落(4歳までに乳歯が抜けてしまい、永久歯がすぐには生えてこない)は低ホスファターゼ症の患者さんでしばしば認められる症状です。数は少ないですが永久歯の脱落をきたした患者さんもおられ、歯周病にもなりやすいので定期的な歯科受診がすすめられます。
歯の症状があるのは乳歯だけでしょうか?
- 酵素補充療法は週3回または6回の注射で行います。 患者さん、もしくはご家族に注射の練習をしていただいて、ご自宅で注射していただきます。
酵素補充療法はどのように行うのでしょうか?
- 成人の患者さんでは、骨折、骨や筋肉の痛み、関節痛、筋力低下、歩行の異常などの症状がみられます。永久歯が早く抜けてしまう場合もあります。
成人の患者はどんな症状を示しますか?
- 血清アルカリホスファターゼ値の低下は、低ホスファターゼ症以外にも、甲状腺機能低下症や栄養不良、ステロイドの使用などさまざまな原因でおこります。骨や歯の症状などが認められる患者さんにおいて、複数回の検査で血清アルカリホスファターゼ値が常に低く、ほかに原因がない場合には、低ホスファターゼ症の可能性を考えて遺伝子検査を行います。
血清アルカリホスファターゼ値が低ければ低ホスファターゼ症でしょうか?