乳幼児肝巨大血管腫(指定難病295)

にゅうようじかんきょだいけっかんしゅ
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

検査をしたらたまたま肝臓に血管腫があると言われたのですがこの病気でしょうか?

血管腫は肝臓にできる良性腫瘍の中では一番頻度が高く、他の病気のことで検査をして偶然に肝臓に血管腫が見つかることが良くあります。これらの無症状で小さな血管腫は特に治療の対象になりません。この病気は、多くは赤ちゃんで見つかり、すぐに治療が必要だったり、慎重に経過をみていかなければいけないようなものをいいます。

皮膚に苺のような血管腫があるのですが、肝臓は大丈夫でしょうか?

皮膚病変がある場合には、肝臓に血管腫がある場合が多いといわれます。超音波検査などで、大きな血管腫がないことを確かめておいたほうが安心でしょう。

血管腫は自然に消えてしまうと聞いたのですが本当でしょうか?

赤ちゃんなどで皮膚にできた苺のような血管腫は大きくなると自然に消えてくることがあります。肝血管腫も一部はこれと同じような性質の血管腫と思われますが、全部ではありません。

この病気で治療したのですが、お薬はいつまで飲み続けなければいけないのでしょうか?

多くの患者さんでは、1歳を過ぎる頃から、お薬の量を減らしても血小板の数が下がったり、色々な症状がでたりすることがなくなってきます。これらの検査結果をみながら、少しずつお薬の量を減らして、最後はお薬を飲まないでも良いようになることが多いです。

乳幼児期を過ぎて学童期以降や成人期に症状が明らかになることはあるのでしょうか?

以前は乳幼児期の症状が一旦治まった後に、肝障害などの症状が出てくる場合があることは知られていましたが、近年、成人期など年齢が高くなってから発症する症例があることが分かってきました。肝臓に大きな血管腫があり、心不全、凝固障害などの症状が出てきた場合でも、この疾患の専門の施設に相談することをお勧めします。

 

情報提供者
研究班名 希少難治性消化器疾患の長期的QOL向上と小児期からのシームレスな医療体制構築班
研究班名簿 
情報更新日 令和5年1月(名簿更新:令和6年6月)