ドラベ症候群(指定難病140)
どらべしょうこうぐん
- ドラベ症候群のほとんどは1歳までにけいれんを発症しますが、特に1歳までに発熱の既往の無い場合などで、1歳から1歳8か月までに発症することが稀にあります。
1歳までにてんかんを発症しなければドラベ症候群の可能性はないと考えてもいいですか?
- てんかん発症に関連する疾患がなく、生後1か月から20か月のお子さんに半身けいれんや全身けいれんが2回以上あり、発熱・ワクチン接種・入浴などによる発作誘発や5分以上続く発作が見られる場合は、ドラベ症候群の可能性も考えられます。
1歳未満の時点での臨床経過と症状からドラベ症候群の可能性を判断するためのスクリーニング項目が大守らによって考案されていますので、参考にするといいかも知れません。
これらに該当する場合は、SCN1A遺伝子検査を施行することで、ドラベ症候群であるかどうか早期に診断できる可能性があります。
注: 1歳未満におけるドラベ症候群診断のスクリーニング項目(大守伊織ら)
発作時年齢 7か月以下 2点 総発作回数 5回以上 3点 半身けいれん あり 3点 部分発作 あり 1点 ミオクロニー発作(ピクン) あり 1点 10分以上持続する発作 あり 3点 入浴によって誘発された発作 あり 2点
より早期にドラベ症候群の可能性を示唆する手がかりはありますか?
- 一般的な血液検査や脳波検査のみでは確定診断することができません。てんかんの発症年齢、てんかん発作型、てんかん重積状態の有無、発熱や入浴、予防接種による発作誘発の有無、などによりこの病気の可能性が考えられ、てんかんを発症するその他の病気が明らかではない場合には、この病気の診断に矛盾する所見のないことを確認するために脳波検査や脳MRI検査を行います。これらの情報から診断がつくこともありますが、血液を用いた遺伝子診断でナトリウムチャネル遺伝子の一つであるSCN1A遺伝子などの変異を認めるとこの病気である可能性が高くなります。ただし、この病気でこの遺伝子変異を有するのは約80%と言われており、この遺伝子変異を有する人のうちでドラベ症候群の診断基準を満たすものも約80%と報告されており、「この遺伝子の変異=この病気」とは必ずしも限りません。