メチルグルタコン酸尿症(指定難病324)

めちるぐるたこんさんにょうしょう
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

次に生まれてくるこどもも同じ病気になるのでしょう。ほかの親戚に同じ病気の人が生まれてくることはあるのでしょうか。

遺伝する可能性のある病気もあります。
I型とIII型は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)と言って、次の子どもが4人いるとすれば1人は同じ病気になる可能性があります。血族結婚を避ければ今後同じ病気の方が家系に現れる可能性はほとんどありありません。正確なことは遺伝子の解析を含めた遺伝相談を受けられることをお勧めします。
II型はX連鎖性遺伝病と言われており、この疾患を発症していないが遺伝子の変異を持つ母( 保因者 )から遺伝し発症します。この場合次に生まれる男の子は2人に1人の確率で同じ病気になり、女の子であれば2人に1人の確率で保因者になります。一方孤発例と言って、遺伝によるものではなく初めてこの患者さんに病気が出現することもあり(この場合は次の子や親戚が同じ病気になることは非常に稀です)、この病気がいわゆる遺伝して起きたかは遺伝子解析をはじめとする十分な検査を行って初めてわかることです。遺伝子の病気と遺伝する(遺伝してきた)病気とは少し異なります。遺伝に関することでご心配な方は 遺伝カウンセリング をお受けになることをお勧めします。

この病気のことをよく知っている医師はどこにいますか。

ミトコンドリア病についてたくさんの患者さんを診ておられる先生、ミトコンドリアの働きについてよく知っている先生、先天代謝異常症の専門の先生、心臓の先生、神経の先生などにこの病気のことを知っている方がおられます。しかしながらこの病気は非常に少なく、複数の患者さんを診たことがある先生はおられないと思います。先天代謝異常症に関する医療関係者のネットワークがよく構築されているので、このネットワークにアクセスしていただければと思います。受け持ちの先生にまずは相談してください。また先天代謝異常症の親の会や患者会もよく組織されているので、この方面からのアクセスも有効な方法と思います。

生活上の注意はありますか。

突然の急性増悪もⅠ型の患者さんには考えられるので、発熱時や感染時にはきちんと食事がとれるように心がけることが大切です。
心臓が弱っておられるかたは日常生活全般に注意が必要ですので、受け持ちの先生の指示をよく守ることが必要でしょう。
体調がすぐれないときにはなるべく早くかかりつけの医師と相談して対応することが必要です。

まれな病気で、周囲に同じ病気の家族もいなくて不安です。

この病気は極めて少ない患者さんしかおりませんので、同じ病気の患者さんと交流を持つことは難しいかもしれません。しかし日本のどこに患者さんがおられるかは分かっていますので、受け持ち医にその旨希望を伝えていただければ連絡を取ることは可能かもしれません。同じ病気ではありませんが先天代謝異常症の患者会、親の会は良く組織されており、この方々より多くの有用な情報が得られることが多いです。
おひとりで悩まずにこれらの方々にアクセスして不安をなるべく取り除かれるとよいと思います。
有機酸・脂肪酸代謝異常症患者家族会、ひだまりたんぽぽ、のホームページ
https://hidamari-tanpopo.main.jp/

 

情報提供者
研究班名 新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症の成人期にいたる診療体制構築と提供に関する研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年1月(名簿更新:令和6年6月)