代謝疾患分野|β-ケトチオラーゼ欠損症(平成23年度)
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1. 概要 | |
ミトコンドリアアセトアセチル-CoAチオラーゼの欠損による疾患で、イソロイシンの中間代謝およびケトン体代謝が障害され、重篤なケトアシドーシス発作をきたす疾患。酵素名でミトコンドリアアセトアセチル-CoAチオラーゼ欠損症ともいう。 | |
2. 疫学 | |
世界で報告例100例以上、日本で10例(未診断例が多い)。 | |
3. 原因 | |
ミトコンドリアアセトアセチル-CoAチオラーゼ遺伝子の異常による本酵素活性の低下によって、イソロイシンの中間代謝、ケトン体代謝が障害されることによる。常染色体劣性遺伝性疾患である。その酵素障害の程度と臨床的重症度にはっきりした関連がなく、尿有機酸分析で軽微な異常しかなく、そのため診断が一部の症例で難しい。 | |
4. 症状 | |
発作間欠期はまったく無症状。感染に伴う発熱、胃腸炎などによる嘔吐などに伴い、重篤なケトアシドーシス発作をきたし、意識障害をきたし、発作が重篤だと死に至ったり、後遺症をきたすことがある。 | |
5. 合併症 | |
ケトアシドーシス発作による死亡、後遺症による精神運動発達遅滞 | |
6. 治療法 | |
1)ケトアシドーシス発作の予防〜感染時、食事摂取が難しいときには早期のグルコースの点滴補給。 | |
7. 研究班 | |
先天性ケトン体代謝異常症(HMG-CoA合成酵素欠損症、HMG-CoAリアーゼ欠損症、β-ケトチオラーゼ欠損症、SCOT欠損症)の発症形態と患者数の把握、診断治療指針に関する研究班 | |