高安動脈炎(指定難病40)

たかやすどうみゃくえん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

この病気にかかっている者ですが、結婚して大丈夫ですか。妊娠して子供が産めますか?

若い女性の方に発症しやすい病気なのでこのような悩みを持っておられる方がたくさんおられます。しかし、本症はほとんどの方が日常生活に差し支えない程度に回復します。ですから結婚には問題ないと思います。次に妊娠、出産ですが、主治医の先生とよくご相談されることをお勧めします。まず、炎症を十分に鎮静化させることが大事です。通常、妊娠、出産に差し支えない方がほとんどですが、脳や心臓、腎臓などに大きな障害を持っている場合は、慎重に検討しないといけない場合があります。また、まれですが、妊娠、出産を契機に高安動脈炎が再燃するかたがおられます。

胸のレントゲンで動脈の石灰化を指摘されました。自分はなんともないのですが、診察を受ける必要がありますか?

胸部大動脈の石灰化は年輩の方で動脈硬化の進んだ人には見られますが、若い方の場合は、まず本症が疑われます。自覚症状がなくても一度医師の診察を受けて下さい。

頭を急に上げたり下げたりすると、めまいを生じます。これもこの病気からくるのでしょうか?

高安動脈炎では、頭部を栄養している血管が閉塞あるいは狭窄し、動作に伴って一時的に頭部への血流が低下して、めまいなど頭部乏血症状が起こることがあります。また、頸動脈に存在する血圧を感知する部分が高安動脈炎によって障害を受けると、極端に血圧が動揺し、めまい、ひどい場合には失神する方もいます。さらに脳梗塞によっても、めまいが起こることがあります。
しかしながら、めまいを引き起こす病気は他にもたくさんあり、緊急を要する疾患もありますから、すぐに医師の診察を受けることが必要です。

 

情報提供者
研究班名 難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班 
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和4年3月(名簿更新:令和6年6月)