アルポート症候群(指定難病218)
あるぽーとしょうこうぐん
- 現在根治的治療法はなく、その治療法は腎保護目的の薬剤を内服することです。ただし、早期からしっかりと内服を続けることで腎不全進行年齢を遅らせることができるというデータが報告されています。
この病気は治りますか
- 遺伝子の変異により発症する疾患であり、お子さんに遺伝する可能性があります。アルポート症候群にはX染色体連鎖型、常染色体潜性(劣性)、常染色体顕性(優性)という3つのタイプの遺伝形式があります。遺伝に関しては主治医や遺伝カウンセラーにお尋ねください。
この病気は遺伝しますか
- これまでは、ほとんどの場合、腎臓の組織を直接採取して調べる腎生検という検査で確定診断することが多かったのですが、近年ではご家族にアルポート症候群の方がいらっしゃる、あるいはこの病気の疑いがある方がいらっしゃる場合には遺伝子診断を先に行うことで確定診断およびその遺伝形式に関して調べることができます。また遺伝子変異の種類と重症度に関係があることもすでに分かっており、遺伝子診断が重症度の判定に役立つこともあります。ただしこれらの検査を行っても診断がつかないこともあります。
どのように診断しますか
- アルポート症候群のほとんどがX染色体上にあるCOL4A5遺伝子の変異で発症します。X染色体は性染色体と呼ばれ、女の子はX染色体を2本持っていますが、男の子は1本しか持っていません。そのため、女の子はCOL4A5遺伝子の片方に変異があってももう片方が正常であるためほとんどの場合軽症ですが、男の子は1本しか持っていないため、そこに変異があると重症となります。