神経細胞移動異常症(指定難病138)
しんけいさいぼういどういじょうしょう
- 脳の神経細胞は、お母さんのおなかの中にいるときに移動が終わるため、移動異常を直接観ることはできません。神経細胞の移動に異常が起きると、脳が特徴的なかたちを示すようになり、頭のMRI検査で脳を調べることによって診断することができます。
神経細胞の移動異常はどうやってわかるのですか?
- 神経細胞移動異常症では脳の配列が乱れて、神経細胞どうしのネットワークに異常をきたしており、てんかん発作が起きやすく、また治りが悪いことも多いです。片側巨脳症(指定難病136)や限局性皮質異形成(指定難病137)など脳の一部の異常の場合は、外科的に手術で治す方法があります。薬や手術の他に、食事で治す方法もあります。
てんかん発作が治りません。どうしたら治りますか?
- 神経細胞移動異常症のてんかん発作は難治で、二つ以上の発作がみられることも少なくありません。そのために、服用する薬も数や量が多くなりがちです。薬が増えると副作用も出現しやすくなります。てんかん発作は完全になくなることが理想ですが、そのために薬の副作用でボーッとして生活を楽しめなかったり、呼吸が悪化しては本末転倒です。ある程度薬を使っても発作が治らない場合は、本人が苦しがったり、けがや生命に関わるような大きい発作は数を減らしたり大きさを小さくすることを目標にし、それ以外の日常生活に影響の少ない小さい発作は経過見ることも必要です。
てんかん発作は完全に治す必要がありますか?
- 国内では保険適用がないため遺伝子検査を受けるのは容易ではありません。一部の研究施設では、研究目的として神経細胞移動異常症の遺伝子解析を行っています。お近くの小児神経専門医にご相談ください。