ビッカースタッフ脳幹脳炎(指定難病128)

びっかーすたっふのうかんのうえん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「ビッカースタッフ脳幹脳炎」とはどのような病気ですか

急に物が二重に見えたり、ふらついて歩けなくなったり、意識がはっきりしなくなったりする病気です。症状が出る前に、風邪をひいたり激しい下痢があったりすることが多いです。症状は1ヵ月以内に最も強くなり、それ以後は改善にむかいます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

わが国の年間発症数は100人くらいと報告されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

男性にも女性にも起こりますが、男性の方がやや数は多いです。どの年齢にも起こり得る病気です。

4. この病気の原因はわかっているのですか

何らかの感染が引き金となって免疫の異常を引き起こし、自分の神経を攻撃するためと考えられています。GQ1bという神経の成分に対する抗体が重要な役割を果たすことがわかっています。

5. この病気は遺伝するのですか

この病気は遺伝する病気ではありません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

目の動きが悪くなって物が二重に見えたり、ふらついて歩けなくなったり、意識がはっきりとしなくなったりします。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

この病気に対して効果が証明された治療法はありませんが、症状が出てから約1ヶ月以内に、 免疫グロブリン の静脈注射や 血漿 交換などをするのがよいだろうと考えられています。副腎皮質ホルモンも有効な可能性があります。重症な場合には、人工呼吸器の使用や血圧や脈の管理などの全身管理が必要となります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

症状の程度は一か月以内に最も重くなり、その後徐々に回復します。多くの患者さんは、元通りの生活に復帰できますが、自力で歩けないなどの後遺症が残る場合もあります。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

症状が重い時は入院での管理が必要ですが、落ち着いて退院した後は、普通の日常生活をして差支えないです。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

 

情報提供者
研究班名 神経免疫疾患領域における難病の医療水準と患者のQOL向上に資する研究班
研究班名簿 
情報更新日 令和4年3月(名簿更新:令和6年6月)