1p36欠失症候群(指定難病197)

いちぴー36けっしつしょうこうぐん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

主治医から「1p36欠失症候群」の可能性があると言われました。遺伝子検査は必要でしょうか?

1p36欠失症候群は染色体欠失によって生じる疾患ですので、染色体欠失の有無を確定させる検査を受ける必要があります。従来から行われているGバンド法という方法がありますが、この方法では微細な欠失を同定することができない場合が多いです。その場合はFISH法という方法を組み合わせて行います。ただ、この方法でも見逃される場合があり、欠失範囲を明らかにすることができないなど、限界があります。マイクロアレイ染色体検査が最も優れており、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行っている一部の施設で実施可能です。

専門病院にかかった方がよいのでしょうか?

全国の総合病院の小児科で診療が可能です。体の合併症に対しては、それぞれに関連する診療科(心臓血管外科、口腔外科、耳鼻科、泌尿器科、眼科など)を受診して下さい。受診にあたっては、小児科の主治医の先生によくご相談下さい。また、地域の発達・療育センターで、療育訓練や摂食指導を受けることができます。

次の子どもを考えています。出生前診断など、妊娠中に必要な検査はありますか?

1p36欠失症候群の患者さんで認められる染色体欠失には1番染色体短腕末端だけの単純な欠失と、他の染色体との不均衡転座によって生じる欠失があります。どちらもほとんどの場合、突然変異で生じますが、稀に親の均衡転座に由来する場合があります。両親のどちらかが均衡転座の保因者である場合、次のお子さんも1p36欠失症候群を生じる可能性があります。心配がある場合は、臨床遺伝専門医のもとで遺伝カウンセリングを受け、お子さんの核型情報から両親の保因者診断を行う必要があるかどうかも含め、ご相談下さい。

周りに同じ病気の人がいないので、どう育てたら良いか不安です。

確かに稀な疾患ですが、日本には100名以上の患者さんがいます。患者さんをかかえるご家族の会があり、年に1度の交流会やメーリングリストなどで情報交換していますので、参加されてみてはいかがでしょうか?

 

情報提供者
研究班名 患者との双方向的協調に基づく先天異常症候群の自然歴の収集とrecontact可能なシステムの構築班
研究班名簿 
情報更新日 令和5年1月(名簿更新:令和6年6月)