痙攣重積型(二相性)急性脳症(指定難病129)
けいれんじゅうせきがた(にそうせい)きゅうせいのうしょう
- 2017年の小児急性脳症疫学調査によると、日本全国で1年あたり100〜200人の新たな発症が推定されています。累積の患者数は数千人と見込まれます。
この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?
- 日本の小児に好発しますが、東アジアの小児の報告も増えています。日本人に好発する理由は現時点では不明です。
この病気は日本人だけに発症するのですか?
- 発作(からだを突っ張る、眼球が上を向く、手足をぴくぴくさせるなどの状態)がある程度以上持続するか、短い発作でも反復してその間に意識の回復がない状態です。一般に持続時間を30分以上とすることが多いです。
けいれん重積とはどのような状態ですか?
- けいれん重積型(二相性)急性脳症は数分の短いけいれんで発症することもあり得ます。このような患者さんは退院後の知能・運動機能が良好であることが多いですが、例外もあります。
けいれん重積型(二相性)急性脳症は常に長いけいれんで発症するのですか?
- けいれん重積型(二相性)急性脳症は早期診断(2回目のけいれんが起きる前の診断)が難しい病気です。なぜなら、初回のけいれん後に、20-30%の患者さんの意識がほぼ清明となり、この時期にはMRI画像も正常なため、熱性けいれん(発熱に伴いけいれんを生じますが、治療の必要がなく後遺症を残さない良性の病気)との区別が困難なためです。
けいれん重積型(二相性)急性脳症の早期診断は難しいのですか?
- けいれん重積型(二相性)急性脳症に対して現時点では「小児急性脳症診療ガイドライン2023」「インフルエンザ脳症の診療戦略」に記載された治療を行うことが多いですが、有効性が確立した治療法はありません。一定の基準を満たした重症患者さんに早期の体温管理療法(高体温を避け、体温を平温に保つ治療)を実施することでけいれん重積型(二相性)急性脳症の発症を減らせる可能性があります。
一人一人の症状・画像所見・治療方法・予後などを登録し、多くの患者さんを検討することで、有効な治療方法を確立する作業が始まっています。
けいれん重積型(二相性)急性脳症の確定した治療法はあるのですか?
研究班名 | 小児急性脳症の診療向上・ガイドライン策定に向けた体制整備班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和6年10月(名簿更新:令和6年6月) |