類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。)(指定難病162)
るいてんぽうそう(こうてんせいひょうひすいほうしょうをふくむ。)
- 血液中のBP180に対する抗体価は、水疱性類天疱瘡の病勢を反映すると考えられていますが、臨床症状と抗体価が相関しない場合もあります。臨床症状が落ち着いていれば、抗体価の上昇だけを理由にステロイドを増量する必要はありませんが、上昇し続けている場合は、注意深く臨床症状を観察する必要があります。血清中の抗体価が陰性にならなくても、水疱やびらん、紅斑が新しくできない期間が十分に長くなれば、注意深くステロイドを減量することも可能です。
症状は落ち着いているのですが、血液中のBP180に対する抗体価が上がりました。ステロイドの内服量を増やさなければなりませんか?また抗体価が陰性になるまでは、ステロイドは減量できないのでしょうか?
- ステロイドは中等症以上の類天疱瘡に対する最も有用な治療薬です。水疱や紅斑の新生がみられなくなれば徐々に減量し、0.1mg/kg/日以下を目標に減量します。ステロイドの早急な減量により症状の再燃を来すことがありますので、慎重に減量する必要があります。ステロイドの総投与量を抑えるために、免疫抑制薬を併用することもあります。病気の勢いが完全に落ちついた後にステロイドを漸減し、中止できる場合もありますが、服用期間は個々の症例により異なります。