好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)
こうさんきゅうせいふくびくうえん
- 確かに難治性の病気です。気管支喘息、アスピリン不耐症/NSAID不耐症(NSAID-exacerbated respiratory disease、N-ERD)がある場合、中等症から重症に該当し、手術で鼻閉が改善しますが、術後通院しないで放置するとすぐに再発し、再度手術が必要になります。術後定期的に通院し、鼻茸が再発したら、小さいうちに外来で摘出すると快適な生活を続けられます。根気が必要な病気です。最近、抗IL-4受容体アルファ鎖抗体が大きな鼻茸を有する患者さんに使用できるようになりました。これにより鼻茸の縮小と症状の軽快を認める患者さんが増えてきました。
好酸球性副鼻腔炎は治らないのですか。
- 細菌感染が起こり、汚い鼻水が出ている時には、抗菌薬を服用すると効果があり透明な鼻水になってきます。抗菌薬を服用しないと汚い鼻水は持続し、鼻茸もどんどん大きくなり症状はひどくなります。しかし抗菌薬で根本的に直すことは残念ながらできません。
抗菌薬は効果がないのですか?
- そんなことはありません。どちらかというと健常人の人の方がアレルギー性鼻炎を合併している率が高く、好酸球性副鼻腔炎の人はアレルギー性鼻炎を合併している頻度は低くなります。
薬剤アレルギーの人に多いということは、アレルギー性鼻炎の人にも多いのでしょうか?
- ステロイドの点鼻薬を鼻に噴霧しても、手術を行っていない状態であれば、あまり効果はありません。手術後鼻の状態が良い状態であれば、ステロイドの点鼻薬をすることで良い状態を保つことができるようです。
鼻にさす点鼻薬は効果がありますか?
- 残念ながら、効果はほとんどないように感じています。
抗ロイコトリエン薬は効果がありますか?
- 抗IL-4受容体抗体の皮下注射は約60~70%の大きな鼻茸を有する患者さんの鼻茸を縮小させるとともに、嗅覚障害を改善させます。CTにおける副鼻腔の所見も改善させます。しかし注射を中止すると、鼻茸は再度増大します。
抗IL-4受容体抗体は効果がありますか?
研究班名 | 好酸球性副鼻腔炎のQOL調査とQOLに基づいた治療ゴールの設定班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和4年12月(名簿更新:令和6年6月) |