弾性線維性仮性黄色腫(指定難病166)
だんせいせんいせいかせいおうしょくしゅ
- なりません。ただし皮膚病変の範囲と循環器病変は相関するという報告があります。
皮膚病変が重症の場合、眼病変や循環器病変も重症となりますか?
- 弾性線維性仮性黄色腫は加齢と共に徐々に進行していく病気ですから、現時点で症状がなくても定期的な受診と早期発見が望ましいと考えられています。定期受診の間隔については各科の担当医とご相談ください。
皮膚以外の症状がないのですが、眼科や循環器科などはいつまで受診する必要が有りますか?
- 眼科を定期受診し、皮膚症状が出現した際に皮膚科へ紹介してもらってください。
眼症状しかなくて典型的な皮膚症状がない場合はどうすればよいですか?
- 新生血管ができると視力が落ちたり歪んで見えたりすることがあります。治療が難しいこともあるので、こうした症状が出たら眼科を受診するようにしてください。
症状がなくても年に1回など定期的な眼科受診をお勧めします。
網膜色素線条があるといわれましたが、自分では困っていることがありません、どうしたらいいでしょうか?
- 決められた治療があるわけではありません。新生血管を伴う他の疾患(加齢黄斑変性や強度近視など)で実施される治療を参考に相談することが多いです。
眼科の治療にはどのようなものがあるのでしょうか?
- 現在行われる治療の多くは現状維持を目指すものになります。ただし、中にはかなり症状が改善される方もおられるので、担当医とよくご相談ください。
視力がかなり悪くなっているのですが、良い方法はあるのでしょうか?
- 全身の弾性線維が傷みやすい体質なので、両方の眼が同じ病気になる可能性があります。症状に出てくるのは、新生血管ができてからのことが多いので、まだよく見えている方の眼も定期的な診察を受けられることをお勧めします。
片方の眼がかなり見にくくなってしまっているのですが、反対の眼も同じように見にくくなるのでしょうか?
- 弾性線維性仮性黄色腫は筋性動脈や弾性動脈の内弾性板の弾性線維が変性、断片化や石灰化を生じ、血管内腔の狭小化を来すことにより、動脈硬化性の疾患を発症するといわれています。通常の動脈硬化でみられる脂肪沈着などは少ないとされています。若年発症の場合には本症の関与が疑われます。
弾性線維性仮性黄色腫は動脈硬化性の疾患を発症するとのことですが、通常の動脈硬化とはどう違うのでしょうか?
- 弾性線維性仮性黄色腫 (以下PXE) における消化管出血の合併は1954年にKaplanらにより最初に報告され、欧米での多数例での検討では13%と報告されています。本邦での報告では6.4%と報告されていますが、PXEは発症頻度の低い疾患であり、原因不明の消化管出血とされ診断がついていない症例も存在すると思われます。また、PXEの患者に消化管出血の合併症リスクがあることを知ってもらうことが大切と思われます。
消化管出血を合併する頻度はどのくらいでしょうか?
- 妊娠、出産は可能です。大多数が正常分娩と同様とされています。動脈硬化による母体のリスク上昇や、子宮内胎児発育遅延の報告もありますので、産婦人科受診の際に病名を伝えてください。