中條・西村症候群(指定難病268)
なかじょうにしむらしょうこうぐん
- 中條・西村症候群は 常染色体潜性遺伝(劣性遺伝) と呼ばれる遺伝形式を示すため、患者さんのご両親やお子さんは発病せず、 保因者 ( キャリア ー)となります。ご兄弟に同じ病気が見られることがあります。
中條・西村症候群は遺伝性疾患であると聞きましたが、子供に遺伝しないか心配です。
- 中條・西村症候群では、原因となるPSMB8 遺伝子の変異 によってプロテアソームという 酵素 がうまく働かないために脂肪細胞が減ってしまうと考えられますが、その理由はまだよく分かっていません。
中條・西村症候群では、どうして脂肪が減ってやせるのでしょうか?
- 乳幼児期に凍瘡(しもやけ)や 結節 性紅斑(赤いしこり)といった皮膚の症状、発熱があれば、小児科や皮膚科を受診してください。成長しても発作を繰り返せば免疫膠原病内科に、また脂肪の萎縮ややせがあれば内分泌代謝内科や神経内科に、関節が固まってくれば整形外科やリハビリテーション科に紹介されるかもしれません。病気が進行して内臓病変を伴うようになれば、呼吸器内科や循環器内科、消化器内科など各専門科での管理が必要になることもあります。発症早期に診断することは難しく、成長して症状が揃わないと診断がつかないこともあります。また患者数が少なく地域的にも偏っているため、専門医や大病院でも診断が難しい場合があります。
中條・西村症候群が疑われる場合、どの診療科を受診すればよいのでしょうか?
- 現在のところ、病気の進行をおさえる治療はありません。発熱や発疹などの 炎症 症状に対してはステロイドの内服が有効ですが、脂肪の萎縮ややせの進行を抑えることはできません。むしろステロイドの長期内服による発育の遅れや肥満、緑内障、骨そしょう症など、弊害も多くあります。最近、関節リウマチなどで用いられているJAK阻害薬の有効性が報告されています。
中條・西村症候群では、有効な治療法はありますか?
- 研究班では中條・西村症候群の病態の解明と治療法の開発のために研究を進めています。患者さんの細胞から作製したiPS細胞を用いた研究も進められています。I型インターフェロンというサイトカインに対する過剰な反応が病態に関与することが明らかになり、それを抑えるJAK阻害薬の応用が進められています。
中條・西村症候群では、治療法の研究は進んでいますか?
研究班名 | 自己炎症性疾患とその類縁疾患における、移行期医療を含めた診療体制整備、患者登録推進、全国疫学調査に基づく診療ガイドライン構築に関する研究班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和5年11月(名簿更新:令和6年6月) |