脊髄髄膜瘤(指定難病118)

せきずいずいまくりゅう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

脊髄髄膜瘤の発生率はどれほどですか?その発生率は増加していますか、減少していますか?

「日本産婦人科医会外表奇形調査」が長年にわたり二分脊椎患者の発生率を報告しています。1年に生まれる新生児数を参考にすると、表のようになる。即ち、21世紀になってからの患者出生数は年間500人から600人と推定されていますが他の疾患も含まれている可能性があり、実際は年間200人から300人と推測されます。しかし残念ながら患者発生率は減少傾向を示していません。
 

1990年

2000年

2005年

2010年

2012年

二分脊椎発生率(分娩10,000人当たり)

3.6人

4.8人

4.7人

5.9人

5.2人

新生児数

122万人

119万人

106万人

107万人

103万人

二分脊椎患者数

439人

571人

498人

631人

535人

脊髄髄膜瘤を予防するためには、どのような方法が有効ですか?

大切な赤ちゃんを元気に育てるには、計画的に妊娠をし、前もって葉酸の果たす機能を学習することが肝要です。葉酸は二分脊椎の発生リスクを低くするだけでなく、貧血、早期胎盤剥離、流産の防止にも効果があります。母子健康手帳には葉酸の働きが記載されていますが、実際にこの母子健康手帳を入手するのは妊娠10週頃であり、二分脊椎の防止には遅すぎます。
性交渉が始まった一般女性、および妊娠を意図する一般女性は、妊娠4週前から(胎児の臓器形成が完了する)妊娠12週まで葉酸サプリメントを1日400マイクログラム(=0.4mg)内服することが極めて大切です。葉酸サプリメントは通販またはコンビニショップで購入できます。
一方、ハイリスク群である「抗てんかん薬」を内服中の女性は、確実に葉酸を併用しなければなりません。すなわち(精神科・脳神経内科の)主治医に処方箋を発行してもらい、薬局で葉酸1錠/日(5mg)を購入し、内服するべきです。親戚に二分脊椎患者のいる女性は、(遺伝因子の関与が疑われるので)葉酸サプリメントの内服が必要であり、かつ遺伝カウンセラーと相談するべきです。糖尿病に罹患している女性は、直ちにその治療を開始してください。肥満体(BMI>30)の女性は、減量を図ると共に葉酸サプリメントの内服が必要です。

情報提供者
研究班名神経変性疾患領域における難病の医療水準の向上や患者のQOL向上に資する研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日令和5年1月(名簿更新:令和6年6月)