進行性骨化性線維異形成症(FOP)(指定難病272)
しんこうせいこっかせいせんいいけいせいしょう
- 病気の進行をできるだけ避けるためには、異所性骨化につながるとされるフレア・アップ(皮膚の下が腫れたり硬くなったりして、時に熱を持ったり痛みを伴う症状)を起こさないことが大切です。フレア・アップは特にきっかけがなく起きることも多いのですが、けがや手術、インフルエンザなどのウイルス感染が関係することがあるといわれています。けがの具体的な予防法は患者さんの状態によって異なりますが、少なくとも人とぶつかるような激しい運動は控えるほうが良いでしょう。手術や、皮膚から深い部分への注射などはできるだけ避ける必要があり、歯医者さんを含め医療機関にかかる際には病気のことをきちんと説明してください。インフルエンザに関しては、予防接種の励行、かかった際の早期の対応が大切です。また日常の歯の衛生管理も大切です。
日常生活での注意点について教えてください。
- フレア・アップそのものや、これが異所性骨化につながるメカニズムは、まだ十分に解明されていません。しかし、フレア・アップを生じた部位には炎症が起きている可能性が高く、その部分や周囲の関節を無理に動かすことなく安静にすることが大事と考えられています。炎症を抑える薬物(ステロイド、非ステロイド性消炎鎮痛薬)投与の有効性は証明されていませんが、主治医とよく相談した上で使用することもあります。
フレア・アップを生じた際の治療法について教えてください。
- 多くの予防注射は、皮下注射という形の注射で、これは安全と考えられています。針先が筋肉に達しないように注意して注射します。筋肉内注射は避けるべきですので、予防注射の際に確認が必要です。インフルエンザやインフルエンザ様のウイルス感染症は、フレア・アップの原因になりうるとされていますので、インフルエンザの予防接種は勧められています。
予防注射を受けても大丈夫ですか。
- この病気を根本から完全に治してしまう治療法は現在ありません。フレア・アップを生じた際に異所性骨化への進行を防ぐために、ステロイド、非ステロイド性消炎鎮痛薬、ビスフォスフォネートなど様々な既存の薬が試みられていますが、明らかに有効であると確認されたものはありません。異所性骨化を防ぐための薬剤の開発は世界中の研究者が行っており、現在海外ではフレア・アップを生じた際に骨化を防ぐ可能性がある薬剤の治験が行われています。
治療法はないのですか。
研究班名 | 脊柱靭帯骨化症に関する調査研究班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和4年12月(名簿更新:令和6年6月) |