高IgD症候群(指定難病267)

こうあいじーでぃーしょうこうぐん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

どうやって診断されるのでしょうか?

患者さんの症状から高IgD症候群を疑うことが大切です。特徴的な症状としては、周期性の発熱、皮疹、腹部症状、リンパ節腫脹が見られます。また、乳児期の持続性の 炎症 として発症する場合があることが知られています。発熱時の尿中メバロン酸やMVK遺伝子検査、メバロン酸キナーゼ活性などの所見を総合的に判断して診断されます。

ステロイドの治療は必要ですか?

典型例では、発熱発作期にステロイドを4-7日間内服することにより発作時症状が抑制され、QOLの改善が見られます。一方、ステロイドの使用量が多くなると、下記に述べるような副作用がでてくる可能性があります。ステロイド使用のメリット・デメリットを慎重に検討する必要がありますので、抗IL-1製剤(カナキヌマブ)の適応について主治医とよくご相談してください。抗IL-1製剤の選択によりステロイドの治療が不要となることも期待できます。

ステロイドの副作用はどういうものがありますか?

代表的な副作用としては、満月様顔貌、体重増加、感染症の増加、低身長、骨粗鬆症、消化性潰瘍、高脂血症、高血糖、高血圧、白内障、緑内障、精神神経症状などがありますが、使用するステロイドの量や期間によって、副作用の起こりやすさが変わってきますので、主治医とよくご相談ください。

情報提供者
研究班名自己炎症性疾患とその類縁疾患における、移行期医療を含めた診療体制整備、患者登録推進、全国疫学調査に基づく診療ガイドライン構築に関する研究班
研究班名簿 
情報更新日令和5年1月(名簿更新:令和6年6月)