メープルシロップ尿症(指定難病244)

めーぷるしろっぷにょうしょう
 

(指定難病一覧(概要、診断基準等・臨床調査個人票))

1. 「メープルシロップ尿症」とはどのような病気ですか

分枝鎖アミノ酸とよばれる3つのアミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンが分解される過程で働く 酵素 の異常によって、体の中に有害な代謝物質が増えて、生体に様々な症状をきたす先天代謝異常症です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

出生約50万人に1人と考えられています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

とくにありません。

4. この病気の原因はわかっているのですか

分枝鎖ケト酸脱水素酵素を構成するタンパクの遺伝子の変異によって、酵素の異常がおこります。

5. この病気は遺伝するのですか

常染色体潜性遺伝(劣性遺伝) 形式で遺伝します。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

初期には元気がない、哺乳力低下、不機嫌、嘔吐などがみられ、進行すると意識障害、けいれん、呼吸困難、筋緊張低下、後弓反張などが出現します。治療が遅れると死亡するか 重篤 な神経後遺症をのこします。慢性症状としては発達障害、精神運動発達遅滞、失調症、けいれんなどがみられます。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

適切なカロリー(80kcal/kg以上)と電解質輸液、ビタミン投与(B1反応型もある)、蛋白制限を行います。症状が改善しない場合には、肝移植や血液ろ過透析を行うことがあります。慢性期にはアミノ酸の制限食や特殊ミルクが必要になります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

新生児マススクリーニング で発見されていることがほとんどです。新生児マススクリーニングの対象疾患の中で最も死亡率が高く、後遺症を残すことも少なくありません。早期に発見、治療を行うことや、肝臓移植を行うことで症状が改善することが知られています。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

熱が出たり嘔吐・下痢を起こしたりしたときには、早めに医療機関を受診し、治療を受ける必要があります。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

 

情報提供者
研究班名 新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症の成人期にいたる診療体制構築と提供に関する研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年1月(名簿更新:令和6年6月)