イソ吉草酸血症(指定難病247)
いそきっそうさんけっしょう
- イソ吉草酸血症の患者さんの体内にはイソバレリル・コエンザイムAが過剰に貯まっており、この物質からコエンザイムAが外れるとイソ吉草酸が出来ます。イソバレリル・コエンザイムAにグリシンが結合するとイソバレリルグリシンとなり、尿中にどんどん出ていきます。同様にイソバレリル・コエンザイムAはカルニチンとも容易に結合しイソバレリルカルニチンになり尿中に出ていきます。グリシンは体の中に潤沢にありますので、イソバレリル・コエンザイムAとどんどん結合しても足りなくなることはありません。一方、カルニチンはそれほど多くはないので、イソバレリル・コエンザイムAとどんどん結合すると欠乏状態になります。カルニチンは一方で脂肪酸からエネルギーを作り出すために大切な働きをしていますので、欠乏すると体に不具合が起こります。イソバレリル・コエンザイムAと結合してどんどん尿に出てしまっても大丈夫なようにカルニチンを補充する必要があるのです。
カルニチンはなぜ服用する必要があるのですか?
- イソ吉草酸血症女性の出産例が知られていますし、本症が不妊の原因になることはありません。ただし、妊娠中に急性発症で嘔吐が見られることがありますので、栄養状態を良好に保つために、病院で提案された治療法(食事療法・薬物療法・ブドウ糖輸液)をうまく利用しましょう。
普通の女性と同じ様に妊娠・出産出来ますか?
- 可能ですが、生まれてきてからの治療で障害なく生活出来ることから、出産直後の治療の準備をするために羊水を採取して検査をするにとどめます。