脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)(指定難病18)

せきずいしょうのうへんせいしょう(たけいとういしゅくしょうをのぞく)
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

遺伝性脊髄小脳変性症の場合、親が病気だと子供は必ず発症するのですか

遺伝性脊髄小脳変性症の大部分は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性です。すなわち、親が原因となる遺伝子の変異を持っている場合、子供には半分の確率でその遺伝子の変異が伝わります。それぞれのお子さんにおいて半分の確率があるということです。たとえば二人のお子さんがいらっしゃった場合、二人のお子さんのうち一人に遺伝子の変異が伝わるということではありません。二人とも伝わる可能性(25%)、どちらか一人に伝わる可能性(50%)、二人とも伝わらない可能性(25%)それぞれがあるということです。一方、常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)性の場合、お子さんが発症するリスクは非常に低いと考えられます。こういった遺伝のことで疑問や不安に思われる点があれば、様々な施設において遺伝カウンセリングを行っておりますので、受診されることをお勧めします。

脊髄小脳変性症においてリハビリテーションは有効ですか。

脊髄小脳変性症において、集中リハビリトレーニングによる症状改善効果があり、トレーニング後も効果が持続すること、一定期間をあけて繰り返しトレーニングを行う事で、効果が増強できることが、様々な検討により明らかになってきています。通院あるいは入院して行うリハビリテーションだけではなく、自主的なトレーニングを継続することで、効果の持続が期待できます。リハビリテーションを行うにあたっては、転倒などのリスクに配慮する必要があり、リハビリテーションスタッフの適切な指導の下で行う事が重要です。
また遺伝性痙性対麻痺において、新しい機器を利用した歩行リハビリテーションとしてHAL医療用下肢タイプによる「歩行運動処置(ロボットスーツによるもの)」が2023年10月から追加保険適用になりました。歩行機能を改善する効果が得られています。このリハビリテーションを行うにあたっても、同機器が導入された医療機関で、リハビリテーションスタッフの適切な指導の下で行う事が重要です。

 

情報提供者
研究班名 運動失調症の医療水準、患者QOLの向上に資する研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年11月(名簿更新:令和6年6月)