非ケトーシス型高グリシン血症(指定難病321)
ひけとーしすがたこうぐりしんけっしょう
- 大部分の患者さんは、新生児集中治療室(NICU)で診断されます。生後数時間から数日で、元気がなくなる、呼吸状態が悪くなる、ミルクが飲めなくなる、しゃっくりが止まらない、など赤ちゃんの具合が悪くなり、NICUへ搬送されます。NICUで、様々な検査が行なわれ、その結果により診断が付くためです。
この病気は、どのように見つかりますか?
- 必ず効くという治療法は確立されていません。生後間もなく呼吸が弱くなるため、NICUでは人工呼吸器を使った呼吸管理が重要になります。血中グリシン濃度を下げる治療も開始されます。けいれんを合併することが多く、これを止めるために抗けいれん剤の治療も行なわれます。
治療法はありますか?
- グリシンは、体内で幾つかの合成経路が存在するため、グリシンを含む食品の摂取を制限しても、他の物質から体内で合成されるため、効果はあまり期待できません。従って、食事制限は一般に行なわれていません。
グリシンというアミノ酸を含む食品の制限が有効でしょうか?
- 血中や髄液中のグリシン濃度を測定する検査が重要です。髄液は、脳や脊髄の周囲に存在する液体で、背中に針を刺して取ります。通常は、アミノ酸分析といって、グリシンを含むすべてのアミノ酸の濃度を測定する検査が行なわれます。髄液のグリシン濃度は特徴的で、正常の10~20倍以上の値を示す事もあります。診断を確認する目的で、遺伝子検査が行われ、血液検体からDNAを抽出して分析を行います。