β-ケトチオラーゼ欠損症(指定難病322)
べーたけとちおらーぜけっそんしょう
- この疾患は新生児マススクリーニングの2次対象疾患で、現在スクリーニングしていない自治体もあります。また新生児マススクリーニングでは異常と判定されず、後に発症した症例も海外で報告があります。日本においてはスクリーニングで陽性とならないタイプが多いと考えられており、必ずしも新生児マススクリーニングで異常を指摘されなかったからこの疾患ではないとはいえません。
もちろん2014年以前に旧新生児マススクリーニングを受けた方は、この疾患は対象に含まれていなかったため注意が必要です。
新生児マススクリーニングが正常であれば、この疾患ではないですか?
- 多くの場合、通常に食事のとれている状態では症状はありません。発熱や嘔吐、下痢などで食事摂取が不十分となった場合に、アシドーシス発作を起こす可能性があるので、早く病院を受診することは必要ですが、通常の場合は生活に大きな支障はありません。タンパクの軽度制限をする場合もありますが、それほど厳しい食事制限ではありません。
普通の生活ができますか?
- 発熱や嘔吐、下痢などで食事摂取が不十分となった場合に、アシドーシス発作を起こす可能性があるので、早く病院を受診することは必要です。特に小学校低学年ぐらいまでは、重篤な発作を起こさないよう早めの受診を勧めます。
どんなときに病院を受診すべきでしょうか?
- 本症では、正常分娩で普通に出産されたと言う報告が海外、日本からあります。これまでに報告はありませんが、つわりの時期には食事摂取が不十分となりストレスもかかるので、アシドーシスをきたさないか注意した方がいいと考えられます。産婦人科の先生とよく相談してください。
普通の女性と同じように出産できますか?
- 非常に強いアシドーシス発作によって神経後遺症を起こすことが以前から知られています。発達遅滞や不随意運動などです。これは大脳基底核と呼ばれるところが障害された結果と考えられています。しかし、最近一度も重篤な発作をきたしていないのに、同様の神経障害をきたしている例も報告されております。その原因はまだはっきりしておりません。