線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む。)(指定難病340)

せんもうきのうふぜんしょうこうぐん(かるたげなーしょうこうぐんをふくむ)
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

この病気は治りますか?

現在のところ根本的な治療法はありませんが、適切な呼吸管理と感染症の予防・治療を続けることによって、呼吸機能の低下を抑えることができます。

診断はどのようになされますか?

本症の診断には、線毛の電子顕微鏡検査、高速度ビデオ撮影による線毛運動の解析、遺伝子の検査、鼻腔一酸化窒素産生量の測定などが行われます。これらはどれも専門的な検査で、施行できる施設は限られます。

この病気は子供に遺伝しませんか?

この病気の多くは常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)しますので、患者さんの兄弟姉妹には同じ病気がみられることはありますが、子供は、病気の遺伝子の保因者となっても、同じ病気を発症することはまずありません。この病気の一部は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)やX連鎖性遺伝により伝わります。後者の場合、保因者である無症状の母親から男の子に遺伝し発症することがあります。

将来、妊娠・出産は可能でしょうか?

患者が男性の場合、精子も線毛と類似した構造を持つために精子の運動も低下することが多く、男性不妊をきたすことが少なくありません。この際、卵細胞に精子を注入する顕微授精という方法で妊娠は可能になります。患者が女性の場合は子宮外妊娠や不妊が起きることがあるという報告はありますが、詳しくはわかっていません。

運動はしてもいいのでしょうか?

この病気の患者さんにおいて運動は呼吸機能向上に有効であると報告されています。それぞれの患者さんの状況に応じて、できる範囲で運動することを勧めます。

 

情報提供者
研究班名 びまん性肺疾患に関する調査研究班
研究班名簿
情報更新日 令和6年4月(名簿更新:令和5年6月)