LMNB1関連大脳白質脳症(指定難病342)

えるえむえぬびーわんかんれんだいのうはくしつのうしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1.「LMNB1 関連大脳白質脳症」とはどのような病気ですか?

大脳白質と呼ばれる神経細胞の通り道が主に傷害をうける遺伝性白質脳症の一病型です。大脳白質の変化は、脳MRIで鋭敏に検出することができます。中年期以降の成人にみられる病気で 自律神経 障害、痙性、小脳失調、認知機能障害などの症状がみられます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?

正確な数字は不明ですが、まれな疾患だと思われます。遺伝学的検査で診断された本症例が、国内外から報告されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか?

発症年齢は30歳から60歳まで広く分布しますが、多くは40歳代に発症します。男女比はほぼ同じです。生活環境や食生活の影響などは、病気の発症に影響しないと考えられています。

4. この病気の原因はわかっているのですか?

この病気の原因となる遺伝子はLMNB1です。LMNB1からはラミンBIという核膜に発現するタンパクがつくられます。患者さんでは、LMNB1の重複変異もしくは上流領域の欠失が認められます。いずれの場合も、LMNB1遺伝子発現が上昇することがわかっています。LMNB1の発現亢進が、本症を引き起こす詳細な病態機序は未だよくわかっていません。

5. この病気は遺伝するのですか?

常染色体顕性(優性)遺伝形式をとります。患者さんの次の世代には1/2の確率で病気の原因となる遺伝子の変化が伝わります。遺伝について不安や心配がある場合、遺伝カウンセリングを受けることが可能です。主治医の先生に相談して下さい。

6. この病気ではどのような症状がおきますか?

最初にみられる症状としては、自律神経がうまく働かなくなることによる頻尿、便秘、立ちくらみなどがあげられます。経過中にみられる症状としては下肢のつっぱり感、下肢の筋力低下、歩行時のふらつき、認知機能低下などがあります。発熱や感染症などを併発した時に、一過性に症状が悪化することがあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか?

病気の進行を止めたり、治癒させるような治療法は未だ確立していません。それぞれの症状に対する対症療法やリハビリテーションを行います。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか?

病気を発症するまでは通常の日常生活や社会生活を送られる方が多いのですが、病気を発症すると症状は緩徐に進行します。患者さんによって進行の度合いが異なりますので、将来の経過を正確に予測することは困難です。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか?

日常生活に特別な制限はありません。認知症の症状が認められれば、介護者等からのサポートが必要なることがあります。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

常染色体顕性(優性)遺伝性白質ジストロフィー
Autosomal Dominant Leukodystrophy (ADLD)

 

情報提供者
研究班名 成人発症白質脳症の実態調査とレジストリ作成の研究班
研究班名簿
情報更新日 令和7年4月(名簿更新:令和6年6月)