先天性副腎皮質酵素欠損症(指定難病81)
せんてんせいふくじんひしつこうそけっそんしょう
- 腎臓の病気や膠原病などで服用する副腎皮質ステロイドは、薬の薬理的効果を期待して比較的多量が使用されています。その結果子どもの時期に成長障害、肥満、また満月様顔貌、高血圧などの副作用をみることがあります。しかし、副腎 酵素 欠損症で使用される薬の量は、身体に必要な分を補いホルモンの値を生理的な値にする量だけ服用しますので、副作用をみることはまれです。また、定期的に病院で採血し、身体の中のホルモンの値を検査して、ちょうどよい薬の量を決めることが行われています。
副腎皮質ホルモンを服用すると副作用が心配です
- 健常人では身体的なストレスがかかる時には、副腎はそれに反応して普段の時より多めに副腎皮質ステロイドを分泌します。したがって、本症の患者さんが抜歯や高熱など身体的ストレスがかかる状況に置かれた時には、いつも飲んでいる量より多く飲むことが求められます。
副腎皮質ホルモンを服用していますが、虫歯の抜歯とか、風邪をひいた時はどうすればよいのでしょうか?
- できます。
結婚はできるのでしょうか?
- この病気は、常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)病ですから、潜性遺伝子(劣性遺伝子)が二つないと発症しません。一つだけ潜性遺伝子(劣性遺伝子)をもつ人を保因者(キャリヤー)といいますが、この人たちは、病気として発症はしません。潜性遺伝子(劣性遺伝子)を一つずつもつ人同士が結婚すると、病気をもつ子どもができる確率が高くなります。その確率は25%です。すべての子どもが病気になるわけではありません。
遺伝病とききましたが、どのようなものでしょうか?
- 技術的には、妊娠10週前に胎児の組織をとり、遺伝子診断を行うことが可能です。また病気により障害された酵素異常は治療できませんが、外性器異常を起きにくくする治療は存在します。しかし、まだ研究段階の治療で、長期的な安全性が確立していないため、日本では倫理委員会の承認のもとで限られた施設でしか行われていません。
一人目が酵素欠損症と診断されました。次の子どもも病気であると心配です。出産まえに病気であることが解るのでしょうか?
- 副腎酵素欠損症の中で一部の疾患(病型)がアンドロゲン過剰による多毛、月経不順などを起こします。通常適切な副腎皮質ホルモンの補充療法を行っていれば、アンドロゲン過剰状態が緩和され多少の多毛はみられますが、そう重症にはならないと思います。デキサメタゾン半錠で適切に副腎不全状態がコントロールされているのかどうかご確認下さい。病院で副腎欠損症による多毛の治療を行うと随伴症状と言うことで保険適応になると考えてよいと思います。
副腎酵素欠損症と診断され、デキサメタゾンを半錠毎晩飲んでいます。一番悩んでいるのは、多毛症であることです。飲み薬とあわせて全身レーザー脱毛をしたいのですが、ネットで調べると保険適応できるというところと保険適用外とがあります。保健所にお聞きしてみましたら、病院に聞いてくださいと言われました。病院では多毛症という病気はないので保険は利きませんと言われました。自分からすると副腎酵素欠損症の症状の一つなのにどうして?と思うわけです。保険適応としてもらうには、どうしたらよいでしょうか?何かよいアドバイスがあれば、宜しくお願いします。
- 適切なステロイド補充療法をおこなわれている場合でも低身長になることがあります。しかし、極端な低身長になることは以前に比べ、早期に発見されるため、少なくなっています。
21水酸化酵素欠損症では低身長になりますか。
- 小児期より成人期への移行医療は重要なポイントです。副腎酵素欠損症では一生治療することが必要です。成人への移行の多くは内分泌内科の先生にすこしずつ、診療をお願いしながら、最終的には内分泌内科での診療に移ることが一般的です。
先天性の酵素欠損症ですが、小児期からの成人への以降はどのようにおこなわれますか。